チームワーク

2週間ほど入院する機会がありました。突然の病気で家族や会社には色々と迷惑をかけました。またその間の支援やお見舞いには感謝申し上げます。

入院生活について色々と感じたことがあるので記録しておきます。

入院は人生初。様々な体験をさせていただきました。24時間の監視体制で様々な患者さんの対応を行っておられます。最初は個室でしたが、途中から大部屋に移り、お年寄りから 若者、外国の方まで病状も様々な方がいて毎日めまぐるしく変化を見ることができました。

毎日患者のランダムな病状変化を監視しながら、看護師や医師のチームが毎日カンファレンス(会議)を行い柔軟に対応していきます。

私の滞在したフロアの入院患者は100名近くいると思うんですが、一人一人が 病状以外に性格も違っていてわがままを言う人もいます。診察時間をしっかり守れとか、食事が合わないとか、君が嫌いだからチェンジしてほしいとか。外国の方もいて言葉が通じないとか、更には入院費が払えないから治療やめてほしいとか。

それはもう様々な難題が降りかかっていました。治療だけすればよいというものでなく、一人ひとりのパーソナリティに合わせて適応する必要があり大変そうでした。しかも笑顔で。

そのような過酷な状況でありながらも、病院のミッションはひとつ。命を守ることです。

その命題に対して、患者さんは拒否をしたり自己主張したりして治療を妨げるのです。どれだけプロとしてのアドバイスをしてもその処置ができなくては使命が果たせないのですが、看護婦さんはこまめにコミュニケーションをとりながら、なだめながら対処していきます。

現代の治療は 一つ一つの処置に契約書(誓約書)が必要です。これは治療に対して医療裁判が起こる可能性が高いからです。医師と患者が契約に基づいて治療を執行するという、法的な確約を得るためです。昔みたいに医師に感謝するというのではなく、治療が上手くいかなかったら医師のせいにするというスタンスがあります。医療の世界はとても専門的なものであり患者が判断することは本来不可能に近いはずです。信頼関係というものは 契約書では計れないものであり、特に緊急を要する治療の前に説明を受けて書類にサインするのは現場のロスが多いように思います。この状況には違和感を感じます。

話は戻りカンファレンスとチームワークについて。

一人一人の専門性というのは極めて狭い領域でありながら、そこにプロとしての経験や可能性があると感じます。それらのプロが数人で上手く噛み合ってミッションが達成されるのだと思います。これはどのような仕事についても言えることで、だからこそチームワークが必要なのだと思います。オールラウンドで一人で何でもこなそうとせずに、様々な相談や アドバイスを互いにし合えることが力になっていくのだと思います。

弊社であればWeb や 動画 やグラフィックといった 専門性の異なる人が集まっていますが、本来もっとコミュニケーションを厚く連携して、広報に関する「スムーズなコミュニケーションづくり」、という一つのミッションを効果的に遂行することができると思いました。一人一人の技術というのではなくて それが有機的に活かすことで会社の力になるということです。

今回、入院という機会をいただくことで組織力とミッション対応力ということについては学びを得ました。

私たちの仕事はデザインを作ってイメージを良くすることもさることながら、 企業の悩みや課題を、病院のように解決していくことが多いのも事実。それはひとりの人間の健康づくりのように、会社の健康を守るということに似ています。

命というシンプルな課題に対峙したときに、様々な課題が見えてきました。それらを社会に還元していきたいと思います。

最後に、手厚くケア頂きました、やわたメディカルセンターのスタッフに感謝いたします。

目次