土曜デザイン蝶の模様の不思議

先般行った土曜デザイン27回蝶の模様の不思議。石川動物園の三上秀彦さんにお話しを伺った。日本蝶類学会でも活躍中され、蝶のことならなんでもござれの研究者。プライベートは蝶のハンターで蝶の通る道筋まで調べているそう。

蝶のデザインについて、動物の分類から進化の過程まで解説頂いた。柄はまったく同じでも種の違う蝶だったり、擬態で身を守るテクニックだったり、大陸を渡る蝶だったり、それはもう全てか新鮮なお話しだった。

蝶の色彩は色素色と、構造色があり、光の波長反射により美しい発色がされるそうで、標本でも半永久的に美しさが保たれるそう。また海外の富裕層では羽をコラージュした美術品があり、その名残で一頭二頭と数えるそう。そんな見られ方をしてきた蝶。

自分はこのような生きるためのデザインを社会に適用できないか考える訳だが、蝶も何万という種類のなかで結果として様々な戦いから多様性が生まれ、あのような柄のバリエーションが生まれたと考えると、人の個性も結果であり、自然のありようと捉える事ができる。

美しい蝶の裏腹に、三上さんは最後にゴキブリの話をした。

世の中で一番役立っている昆虫はゴキブリです。彼らは大地を潤し様々な動物に食べられるだけです。生き残るためにたくさん子どもを残します。汚いと病原菌を媒介するように言われますが菌は人間から出たもの。

そんな話を聞いて昆虫愛を感じたとともに、人がいかに偏見を持って生きているかを考えさせられた。

三上さんはこのような研究を京都大学物理の道から逸れて学んできた訳だが、ギークともいえる知識を教育に生かせないかと思う。

rbt

 

目次