会社のブランドイメージを「経営的な数値や金額」に置き換えることはある程度可能です。ただし、完全に正確な金額化は難しく、あくまで推定やモデル化の形になります。ポイントは「ブランドの価値が売上やコスト、利益にどう影響しているか」を経済指標に置き換えることです。以下のようなアプローチがあります。
1. ブランド価値を売上への影響で見る
- 価格プレミアムの計算
同業他社と比較して自社ブランドが高価格で販売できる場合、その差額をブランド価値として換算できます。
例:同じ商品を競合より500円高く販売できる → 年間10万個売れる → ブランドによる価値は500円 × 10万個 = 5,000万円。 - 売上維持効果の評価
ブランド力があると顧客が離れにくく、売上が安定する → 離脱防止効果を数値化。
例:ブランドがあるために年間20%の顧客離脱が防げる → それによる売上維持額を算出。
2. マーケティングROIの観点で評価
- ブランド構築に投資した広告費やPR費に対して、どれくらい売上や利益に寄与しているかを計算します。
- 例:PRキャンペーンに1,000万円投資 → 売上増加3,000万円 → ROI = 200%
ブランドの認知や好感度を高める投資として、利益貢献度を算出可能。
- 例:PRキャンペーンに1,000万円投資 → 売上増加3,000万円 → ROI = 200%
3. ブランド評価指標(無形資産)から算出
- ブランド価値評価モデル
- インターブランド方式、BAV(Brand Asset Valuator)などは無形資産としてブランドを金額換算する方法があります。
- 売上、利益、ブランド認知度、顧客ロイヤルティなどを指数化 → 企業価値に換算。
- 顧客生涯価値(LTV)との結びつけ
強いブランドはLTVを向上させます。- 例:ブランド力で1顧客あたりLTVが1万円増 → 顧客数1万人 → ブランド価値 = 1万円 × 1万人 = 1億円。
4. 株式市場の評価から逆算
- 上場企業なら株価にブランド価値が織り込まれています。
- 企業価値 = 有形資産 + 無形資産(ブランド、技術、知財など)
- 有形資産だけの価値と比較して、差額をブランド価値として推定可能。
まとめ
- 完全に正確に数値化するのは難しいですが、売上増、価格プレミアム、顧客維持効果、ROI、LTV、株式価値などを使えば「ブランドイメージの経済的価値」を概算できます。
- 経営意思決定や投資判断に使う場合は、複数のモデルを組み合わせて推定値として扱うのが現実的です。
